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南極オキアミの2倍の脂肪燃焼作用を持つ“イサダ”に注目

南極オキアミの2倍の脂肪燃焼作用を持つ“イサダ”に注目

オキアミは海洋生物の中で最も資源量が多く、海洋の生態系における食物連鎖の基礎を支える重要な生き物です。オキアミは世界中の海に80種類以上も生息していますが、商業的に漁が行われているオキアミは世界にわずか3種類しかいません。イサダは、貴重なオキアミ資源といえるのです。そんなオキアミの中でも、南極オキアミから抽出・精製される油は、クリルオイルとして知られています。クリルオイルは、血流をよくし血管をしなやかにするオメガ3不飽和脂肪酸と、強い抗酸化作用があるアスタキサンチンを豊富に含んでいるのが特長です。クリルオイルは、糖尿病やがんをはじめとするさまざまな生活習慣病の予防や脳の活性化、月経前症候群(PMS)の改善に効果があるといわれています。また、豊富な水産資源に恵まれている岩手県。宮古市より北側は典型的な隆起海岸で、海食崖や海岸段丘が発達していて、宮古市より南側は、北上高地のすそ野が沈水してできた代表的なリアス式海岸で、それぞれ対照的な景観を呈しています。三陸のリアス式海岸の沖合は世界有数の漁場となっており、優れた漁港・港湾が数多く点在しています。中でも、北太平洋に生息する体長約2㌢の小さなオキアミであるイサダは、岩手県沿岸で毎年3~4月にかけて〝春告げ漁〟が行われることから、春の風物詩として親しまれています。

小さなイサダが持つ抗肥満成分を世界で初めて発見

オキアミの一種であるイサダは、三陸漁場の最盛期だった1980年代には年間10万㌧もの水揚げ量を誇りました。しかし、しだいに養殖用のエサや釣りのまき餌としての需要が減少して行きました。そこで、イサダの価格を維持するために漁獲量を制限、現在の漁獲枠は年間3万㌧まで減少しています。三陸の漁業従事者にとって安定的な収入源だったため、イサダの需要の復活が強く望まれていたましたが、イサダは傷みやすく、生や冷凍で食品として流通させるのは困難でした。やがて乾燥したイサダが製造され、食品として流通するようになりましたが、食料として利用されるイサダは水揚げ量の1割にも満たないのが現状です。どうにかしてイサダを有効活用する方法がないかと、イサダの機能性に関する研究が始められました。岩手生物工学研究センター・生物資源研究部では、イサダの機能性に関する研究が重ねられ、その結果、イサダには抗肥満成分である8‐ヒドロキシエイコサペンタエン酸(8-HEPE)が豊富に含有されていることが、世界に先駆けて発見されたのです。8-HEPEは魚には含まれず、オキアミなどの甲殻類にだけ含まれる成分で、イサダに含まれる8-HEPEの量はアカエビの約10倍、南極オキアミの約2倍であることが判明しています。8-HEPEは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPARα)と呼ばれる物質を活性化し、脂肪の燃焼を促進すると考えられているのです。また、8-HEPEには、魚の油に含まれるEPAと比較して、約10倍も高いPPARα活性が確認され、非常に強力な脂肪燃焼作用が確かめられています。ある実験では、肥満の状態にしたマウスにイサダから精製した8-HEPEを与え続けたところ、高脂肪食のみを与えたマウス群に比べ、8-HEPEを与えたマウスは内臓脂肪の増加が抑えられていました。さらに、JST復興促進事業で企業と共同開発した8-HEPE濃縮素材の肥満抑制効果を岩手医科大学薬学部で評価したところ、濃縮素材を与えた高脂肪のエサを摂取したマウスにも内臓脂肪の増加を抑制する効果が確認されました。  ★記事提供:ウェルネスライフ

参考:365.college“イサダ”が抗肥満成分を含むことを世界で初めて発見し脂肪燃焼作用が高いことを確認 365.college

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