文献・臨床

クリルオイルは大腸炎の症状を改善する可能性が示唆されています。

クリルオイルは大腸炎の症状を改善する可能性が示唆されています。

「デキストラン硫酸ナトリウム誘発潰瘍性大腸炎マウスにおける南極オキアミ油の保護効果」

 

南極オキアミ油(クリルオイル)は、新しい海洋由来食品として人気があります。今回、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)誘発潰瘍性大腸炎マウスを対象に、クリルオイル投与による保護効果を検討しました。

その結果、クリルオイルは大腸炎の症状を効果的に改善し、炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-α)の過剰産生を減少させ、NF-κBシグナル伝達経路の活性化を阻害することが分かりました。また、リポ多糖とジアミンオキシダーゼの濃度を低下させ、密着結合タンパク質の遺伝子発現を増加させました。さらに、クリルオイルはファミクテス門/バクテロイデス門の相対量を減らし、腸内細菌叢の構造を回復させ、単鎖脂肪酸の含量を増加させました。これらの改善された特性はすべて、マウスの腸の健康を促進するものです。これらの結果は、クリルオイルが大腸炎の症状を改善し、炎症反応を抑制し、腸の損傷を修復し、腸内細菌叢と単鎖脂肪酸を制御することを示唆しています。従って、クリルオイルは誘発潰瘍性大腸炎の食事療法や腸内共生を改善するための有望な候補となる可能性があります。

 

※潰瘍性大腸炎はクローン病とともに(狭義の)炎症性腸疾患として位置づけられています。若年者に好発し、再燃と緩解を繰り返して慢性に経過する難治性の強い病気です。積極的に研究されているにもかかわらず、その病因(病気の原因)は未だ明確に解明されていません。大腸(結腸や直腸)の粘膜に炎症を伴う潰瘍が生じ、先進国に多くみられ、日本でも食生活の欧米化と歩調を合わせるように増加しています。20歳代をピークとする若年者に多く発病し、日本での患者数は 50,000 人を超えています。(「潰瘍性大腸炎 患者さんのための治療の手引きハンドブック」監修:大阪市東住吉森本病院 消化器病センター所長 北野厚生、大阪市立大学名誉教授 小林絢三 より)

※用語

ファミテクス門(グラム陽性細菌)

バクテオイデス門(グラム陰性細菌)

 

「Protective effects of Antarctic krill oil in dextran sulfate sodium-induced ulcerative colitis mice」

Journal of Functional Foods Volume 79, April 2021

XiaolingZhou 1、XingweiXiang 1,2、YufangZhou 3、TianyiZhou 1、ShangguiDeng 1、BinZheng 1、PinganZheng 4

1.(浙江海洋大学食品薬学院)

2.(浙江工科大学、中華人民共和国食品科学技術短期大学)

3.(浙江海洋開発研究所)

4.(浙江ハイリシェングループ株式会社)

 

抄録は自動翻訳によるものです。

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