クリルオイルの用量別の有効性をマウスを用いて調べた。

コントロール（未処置）群には標準的な飼料を与え、他の3群には大腸がん細胞を移植する前後3週間、それぞれ1日の食事摂取量の5％、10％、15％のクリルオイルサプリメントを与え、細胞増殖マーカーと血管新生マーカーの発現を調査した。

その結果、クリルオイルは用量依存的に大腸がん細胞の成長を抑制した。クリルオイル15％が腫瘍重量と体積の減少に最も効果的であり、細胞増殖の抑制は69.9％、微小血管密度は72.7％であった。

さらに、クリルオイルは腫瘍細胞に対して自滅促進作用を示した。

この研究により、クリルオイルが、がん細胞の増殖と血管形成を阻害し、腫瘍細胞の自滅を誘導することによって、大腸がん細胞の増殖を抑えることが確認された。

「Krill oil supplementation reduces the growth of CT-26 orthotopic tumours in Balb/c mice」

BMC Complement Med Ther. 2022; 22: 34.

Abilasha Gayani Jayathilake 1、Elif Kadife 1、Nyanbol Kuol 1、Rodney Brain Luwor 2、Kulmira Nurgali 1,3,4、 Xiao Qun Su 1
1、ビクトリア大学健康・スポーツ研究所、オーストラリア
2、メルボルン大学ロイヤルメルボルン病院外科、オーストラリア
3、メルボルン大学、ウェスタン・ヘルス医学部、オーストラリア
4、オーストラリア筋骨格系科学研究所（AIMSS）再生医療・幹細胞プログラム、オーストラリア