本研究の目的は、クリルオイル補給における抗高コレステロール血症効果とそのメカニズムを調べることである。

ラットは、通常群、対照群、コントロール群（高コレステロール食）、クリルオイル100mg/kg b.w.（クリルオイル100mg/kg b.w.を添加した高コレステロール食）、クリルオイル200mg/kg b.w.（クリルオイル200mg/kg b.w.を添加した高コレステロール食）の5群に分けられた。12週間後、コレステロール合成と排泄に対するクリルオイルの効果を観察した。

その結果、クリルオイルの摂取により、総トリグリセリド、総コレステロール、LDL-コレステロール値が抑制され、HMG-CoA還元酵素活性も抑制されることがわかった。AMPKのリン酸化、肝臓におけるLDL受容体およびACAT2の発現、コレステロールの糞便排出を促進した。さらに、P-セレクチン、sVCAM-1、NOのレベル、および大動脈壁の厚さを減少させ、動脈硬化の予防における役割を示した。

このように、クリルオイルの補給は、コレステロール合成の抑制だけでなく、LDL-コレステロールの組織への取り込みとコレステロール排泄を促進することによって、高コレステロール血症時の血中LDL-コレステロール濃度を低下させることが示唆された。

「Krill Oil Inhibits Cholesterol Synthesis and Stimulated Cholesterol Excretion in Hypercholesterolemic Rats」

Marine Drugs. 2022 Sep

Ok-Kyung Kim 1、Jeong Moon Yun 2、Dakyung Kim 2、Soo-Jeung Park 3、Chungil Lee 4、Eun Byeol Go 4、Jae Sil Kim 4、Sang Yong Park 4、Jeongmin Lee 2.5
1.全南大学校人間生態研究所食品栄養部、韓国
2.慶熙大学校医療栄養学科、韓国
3.ベインB.カーター免疫学研究センター、バージニア大学、アメリカ
4.SDバイオテクノロジーズ株式会社、韓国
5.慶熙大学臨床栄養研究所、韓国