クリルオイルと抗がん剤「オキサリプラチン」の抗がん効果の比較
36匹のマウスを無作為に6群に分け、コントロール群には標準的な飼料を与え、残りの5群はクリルオイル(150g/kg)、コーン油(150g/kg)、クリルオイルと1/2量の抗がん剤「オキサリプラチン」(1.5mg/kg体重/週3回)、コーン油と1/2量の抗がん剤「オキサリプラチン」(1.5mg/kg体重/週3回)、全量の抗がん剤「オキサリプラチン」(3mg/kg体重/週3回)を添加した飼料をそれぞれ与えた。
飼料への添加は大腸がん誘導の3週間前から開始し、誘導後3週間継続した。
調査の結果、クリルオイルおよびクリルオイルと1/2量のオキサリプラチンを投与したマウスでは、コントロール群と比較して腫瘍の重量および体積の有意な減少が確認され、オキサリプラチンを投与したマウスと同様であった。
また、がん細胞で多く見られるたんぱく質の発現の減少が確認された。
クリルオイルの抗がん作用は抗がん剤「オキサリプラチン」に匹敵し、大腸がん治療の治療薬/補助剤として大きな可能性を秘めているといえる。
「The comparative anti-cancer effects of krill oil and oxaliplatin in an orthotopic mouse model of colorectal cancer」
Nutrition&Metabolism.2022; 19: 12.
Abilasha Gayani Jayathilake 1、Majid Hassanzadeganroudsari 1、Valentina Jovanovska 1、Rodney Brain Luwor 2、Kulmira Nurgali 3,4,5、Xiao Qun Su 6
1.ビクトリア大学健康・スポーツ研究所(オーストラリア)
2.メルボルン大学、ロイヤルメルボルン病院外科(オーストラリア)
3.ビクトリア大学健康スポーツ研究所(オーストラリア)
4.メルボルン大学医学部-西洋健康学科(オーストラリア)
5.再生医療・幹細胞プログラム、オーストラリア筋骨格系科学研究所(AIMSS)
6.ビクトリア大学健康・スポーツ研究所(オーストラリア)