記憶および認知機能低下の改善におけるクリルオイルとノビレチンおよびテアニンとの相乗効果
海と陸の組み合わせという視点に基づき、海由来のクリルオイルと陸由来のノビレチンおよびL-テアニンの組み合わせによる記憶および認知機能低下に対する効果を検討した。
マウスを対象群、クリルオイル群、ノビレチン群、L-テアニン群、クリルオイル+ノビレチン群、クリルオイル+L-テアニン群の6群に無作為に分けた。マウスには、1%(w/w)のクリルオイル、0.075%(w/w)のノビレチンおよびL-テアニンを対応させ3ヶ月間与えた。
その結果、クリルオイルとL-テアニンを併用することで空間記憶障害が改善し、クリルオイルとノビレチンを併用することで認識記憶障害の改善がみられ相乗的に作用することが示された。この結果から、クリルオイルとノビレチンおよびL-テアニンの組み合わせは、アルツハイマー病の治療と緩和に有効な戦略であり、脳の老化と神経変性疾患を遅らせる可能性があることが明らかになった。
「Antarctic krill oil exhibited synergistic effects with nobiletin and theanine in ameliorating memory and cognitive deficiency in SAMP8 mice: Applying the perspective of the sea-land combination to retard brain aging」 Frontiers in Aging Neuroscience. 2022 Sep 14 Cheng-Cheng Wang 1、Jing-Ya Kong 1、Xiao-Yue Li 1、Jin-Yue Yang 1、Chang-Hu Xue 1.2、Teruyoshi Yanagita 3、Yu-Ming Wang 1.2
1.中国海洋大学食品理工学部、中国
2.海洋医薬品およびバイオ製品研究所、パイロット国立海洋科学技術研究所、中国
3.佐賀大学応用生化学・食品科学科栄養生化学研究室、日本