クリルオイルは、皮膚の健康を改善する海洋由来の天然成分として有望視されている。　

本研究では、皮膚細胞に対する抗酸化作用、抗炎症作用、抗シワ作用、保湿作用、およびヘアレスマウスにおけるUVB誘発皮膚光老化について調べるため、細胞試験及び66匹のヘアレスマウスを用いた実験を行った。マウスにクリルオイルを15週間経口投与（100、200、400mg/kg）し、UVB照射を週3回行った。　

細胞試験において、クリルオイルはUVB誘発酸化ストレスに有意に対抗し、シワを減らし、コラーゲンとヒアルロン合成を促進することによって皮膚の水分喪失を防いだ。

マウスを用いた試験では、クリルオイルはすべての用量で、酸化ストレス誘発性の炎症性光老化に関連した皮膚の変化を用量依存的に抑制した。ヒアルロン酸合成およびコラーゲン合成遺伝子の皮膚mRNA発現も、クリルオイル処理後に用量依存的に増加した。組織病理学的解析により、クリルオイルはUVB照射による皮膚組織の損傷を改善することが確認された。これらの知見から、クリルオイルはUVBによる皮膚の光老化を緩和し、様々な皮膚の悩みに対処するための有益な手段となりうることが示唆された。

「Krill Oil’s Protective Benefits against Ultraviolet B-Induced Skin Photoaging in Hairless Mice and In Vitro Experiments」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Marine Drugs 2023, 21(9), 479

Jongkyu Kim 1、Yoon-Seok Chun 1、Sang-Hoon Lee 2、Namju Lee 1、 Sae-kwang Ku 3
1.株式会社AriBnC、韓国
2.慶北大学 、韓国
3.大邱大学 、韓国