クリルオイルが心血管の健康に及ぼす潜在的な役割は、いくつかの臨床試験で結果が一致していません。そのため、クリルオイルが心血管疾患リスク因子（CVDRF）に及ぼす影響について複数の研究やデータを総合的に分析し、評価しました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　クリルオイルサプリメントの心血管疾患 (CVD) アウトカムに対する評価を目的とした介入試験を収集し、統合しました。

1458人の参加者を対象とした14件の試験（18治療群）を組み入れたところ、クリルオイルは、総コレステロール、悪玉コレステロール、および中性脂肪に有益な効果がありました。しかし、血圧、血糖コントロール、体組成、炎症マーカーなど、他の心血管疾患リスク因子に対する効果は見られませんでした。サブグループ解析によると、顕著に良好な効果が認められたのは、パラレルデザイン、摂取期間が8週間未満、ベースラインの肥満度がBMI28未満の被験者でした。サブグループ解析の結果、クリルオイルを1日3g未満の摂取では、総コレステロールと中性脂肪が減少しましたが、1日3g以上摂取すると悪玉コレステロールと中性脂肪の減少が確認され、より広範囲の脂質指標に改善が見られました。クリルオイルを摂取することで、脂質（コレステロールや中性脂肪）に対する一定の改善効果が見られましたが、今後もクリルオイルと心血管疾患や死亡発生率への影響、摂取方法、摂取期間については今後も研究が必要です。

「Clinical effectiveness of krill oil supplementation on cardiovascular health in humans: An updated systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Diabetes & Metabolic Syndrome: Clinical Research & Reviews November 2023, 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　Haohai Huang 1,2、Dan Liao 3、Bin He 2、Guanghui Zhou 4、Yejia Cui 5
1.東莞松山湖中央病院臨床薬学科、東莞第三人民病院、南方医科大学附属東莞石龍人民病院、中国
2.中国南方医科大学付属東莞石龍人民医院、東莞第三人民医院、東莞松山湖中央病院、医学薬学研究室
3.中国南方医科大学附属東莞石龍人民病院東莞松山湖中央病院婦人科
4.南方医科大学附属東莞石龍人民病院東莞松山湖中央病院リハビリテーション科,中国
5.中国南方医科大学附属東莞石龍人民病院東莞松山湖中央病院臨床検査部