体内環境を調整するホメオスタシスは専任のドクター
ホメオスタシスという言葉をご存知ですか? ギリシャ語で恒常性、つまり私たちの身体の状態や環境を常に一定に保とうとする働きを意味しています。分かりやすく言うと、体外の環境の変化に適応して上げ下げを行い身体の状態を一定に保とうとする「体温」は、ホメオスタシスの一つです。例えば、外気温が低く寒いと感じると血管が収縮して毛穴を閉じる… いわゆる鳥肌がたち、体毛が逆だって保温を行い、ブルブル震えることで筋肉を動かして体温を自然に上げようとします。逆に暑いと感じると血管が膨張して毛穴を開き、汗を放出して体温を下げようとします。このような環境の変化に負けないよう身体を常に一定に保とうとするナチュラルな働きをホメオスタシスと呼んでいます。この自ら健康になろうとする素晴らしい能力に注目、大切にして健康の達人を目指しませんか?
ホメオスタシスで不調のサインを見逃さない
外気や季節など、私たちを取り巻く様々な環境の変化以外に、ホメオスタシスは体内の変化にもスピーディーに適応しようとしてくれます。もし、まったくのどが渇かなくて、水分を一切摂らなくなったらどうなるでしょう。また、もし、空腹を感じることがなく食事をしなくなったら…。水分が必要なのに気づかず、栄養が必要なのに気づかないままでは生命を維持することはできません。そこで、ホメオスタシスが微妙な変化にもしっかりと適応して
・水分補給が必要になったら、のどの渇きを感じさせる
・食べ物が必要になったら、空腹感を感じさせる
といった身体の状態に応じて健康を保つために、常にシグナルを発信してくれています。 さらにダルさ、やる気のなさ、消化不良、食欲不振などの不調や、ウイルスの侵入までも防ごうとしてくれるのがホメオスタシスなんです。
自律神経を整えて健康体キープ能力を高める
この大事な自然治癒能力ホメオスタシスを鍛えて、体の不調を予防するために何より大切なのは自律神経を整えることです。しかも、身体の不調のほとんどは、自律神経の乱れで副交感神経が十分に機能していないことが根本的な原因であると言われています。そこで、自律神経を整えるために必要な要素をここに挙げてみます。
1.食べ物で整える 食物繊維が多い食べもの、酸っぱい辛いなど味がはっきりした食べもの、発酵食品、水分、をなるべく多く摂りましょう。
2.入浴で整える 38~40度くらいのややぬるま湯で、のぼせるまで長湯するのではなく2回から3回にわけて適度に気持ちよく湯船につかりましょう。
3.早寝早起きで整える 睡眠中は副交感神経が最も働く貴重な時間だと言われています。早寝早起きで人間の本来の生体リズムに近づけることが大切です。
4.有酸素運動で整える ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など、有酸素運動をすることで自律神経の働き自体が高まります。さらに汗をかくことで体温調整という自律神経の働きも高まります。
5.筋肉をほぐして整える 筋肉の緊張をほぐすことがとても大切。軽いストレッチで首・肩・腕をまわす、体をもみほぐす等がおすすめです。
また、自律神経失調症の大きな原因には、肉体的・精神的ストレスがあります。できるだけ ・嫌なことがあっても、すぐに気持ちを切り替える。 ・人からどう見られているかをなるべく気にしない。 ・怒り、悲しみ、喜び等の感情を抑えずにのびのびと表に出す。 を心がけてみましょう。
参考:自律神経失調症 完璧ガイド ホメオスタシスとは?自律神経失調症 完璧ガイド