これが生活習慣病に効くと噂の「名湯」ベスト20
温泉大国である日本には、効能を謳う名湯がたくさん存在しています。その中でも、気になる生活習慣病に効く温泉を“温泉学”の世界的権威として知られる医師が厳選しました。温泉には、入浴して気持ちがいいだけでなく、病気の予防や症状の緩和に様々な効果があることがわかっていますが、温泉に含まれている様々な泉質が皮膚や呼吸器を通じて体内に吸収され、特定の疾患や、それに関係する症状に効果を発揮します。中でも医療効果が科学的に証明されるか伝統的に認められてきたものを『療養泉』と呼びます。火山大国である日本の温泉地は泉質が世界一多様で、山や海、森など囲む自然環境にも恵まれていて、環境面からも健康に好影響をもたらすことが分かっています。そこで日本全国の数ある温泉の中から選ばれた生活習慣病に効く温泉ベスト20を公開。泉質、自然環境はもちろん、できる限り加水や循環ろ過などの加工処理をしていないことも考慮して選び、いずれもさまざまな 症状に対して高い治療効果を期待でき、3回以上“また行きたい”と思える温泉がセレクトの基準だそうです。
リウマチや胃痛にも入って飲んで効く温泉ベスト20
●豊富温泉(北海道)、登別温泉(北海道)、ニセコ温泉郷(北海道)、酢ヶ湯温泉(青森)、黄金崎不老不死温泉(青森)、鳴子温泉郷(宮城)、乳頭温泉郷(秋田)、塩原温泉郷(栃木)、 那須温泉郷(栃木)、奥多摩温泉郷(東京)、箱根温泉郷(神奈川)、熱海温泉郷(静岡)、 松代温泉(長野)、信州高山温泉郷(長野)、村杉温泉(新潟)、有馬温泉(兵庫)、湯の峰温泉(和歌山)、温泉津温泉(島根)、別府温泉郷(大分)、雲仙温泉(長崎)
生活習慣病のひとつである高血圧には豊富温泉(北海道)のような「含よう素泉」が有効だと言われています。よう素は海藻にも含まれる成分で、汗腺や粘膜から取り込まれて血液をサラサラにしたり、血管壁を若返らせることで血圧を下げたりします。高脂血症にも効果があるとされています。さらに、豊富温泉は世界でも珍しい油分を含んだ温泉で、そのため保湿効果が高いと言われています。そして、関節や筋肉の痛みを和らげて関節の可動性を増す働きがあり、関節リウマチや慢性多発性関節炎、変形性関節症などに効果があるとされるのが「塩化物泉」(食塩泉)。ベスト20のなかでも有馬温泉(兵庫)は塩分濃度が高く、腰や膝などの痛みを和らげるために通う人が多いことで知られていて、『日本書紀』に記されているほど歴史がある温泉です。塩分濃度が海水の2倍ほどで日本トップクラス。関節痛のみならず、皮膚にも良いとされています。他にも塩原温泉郷(栃木)、熱海温泉郷(静岡)なども塩化物泉として知られていますが、有馬には塩化物泉だけでなく、動脈硬化に効果的な二酸化炭素泉(炭酸泉)の温泉も存在します。二酸化炭素は皮膚からの吸収率が非常に高く、入浴により血中の二酸化炭素が増えると皮膚の血管が拡張する効果があります。また、 北海道のニセコ温泉郷、登別温泉の2つは炭酸水素塩泉(重曹泉)に該当し、飲用すれば、胃酸と反応して体内に炭酸ガスを生み出し、肝臓の働きを向上させて糖尿病の改善(血糖値の低下)が見込めます。また胃酸過多を防ぐことにより、胃痛や胃潰瘍にも効果的で、入浴には皮膚の脂肪や分泌物を洗い流す働きがあるため、打撲や皮膚の乾燥に効果が得られると言われています。さらにニセコ温泉郷は太平洋と日本海の両方の近くに位置しているため、気候が多様で、自律神経を整える作用もあります。松代温泉(長野)は、温熱作用が高い含鉄泉に当てはまります。
参考:NEWSポストセブン 温泉学博士医師が選んだ「生活習慣病に効く温泉」20選 NEWSポストセブン