EPAとDHAの違いや効果についておさらいしましょう
クリルオイルを代表とする魚油に含まれるEPAやDHAはともに、残念ながら私たち人間の体内ではほとんど作ることができないと言われるオメガ3(必須脂肪酸)の一種です。青みの魚の油に多く含まれ、ご存知のようにイワシやサバなど脂の乗った魚に豊富に含まれています。よく似ているように見えるEPAとDHAですが、実はどのような違いがあるのか知っていますか? EPAは1960年代にその働きが発見されて以来、血液の状態を健やかに保つ働きがあり、特に血栓をできにくくし、高脂血症を予防することで、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を防ぐ働きがあるということが世界中の医学者によって研究され続けてきました。EPAに血液サラサラ効果があると言われるのは、そのような効果が多くの研究結果から認められているからなんですね。また、DHAは1980年代の後半に脳や網膜などの神経系に豊富に含まれている栄養素であることが話題となり、青みの魚、つまりDHAを食べると「頭の働きがよくなる」といった分かりやすいフレーズで一躍有名になりました。
なるほど!よくわかるEPAとDHAの違い
EPAとDHAは、クリルオイル等の魚油の成分であることからどちらも似たものとして見られることが多いのですが、実は、その効果はかなり違っているのです。ここで、おさらいとしてふたつの違いを改めて学んでみましょう。まず、その研究の歴史についてお話すると、EPAは1960年後半にグリーンランドに住むイヌイットの心臓病で亡くなる人の割合が極端に低いことに注目した学者たちの研究によって効果が明らかになりました。対してDHAは1989年に英国でわが日本の子供たちの知能指数が高いのは、魚食(DHA)の影響ではないかという研究が発表されて世界的に話題を集めました。また、EPAとDHA摂取後の血液中での濃度変化については、EPAを摂取すれば高まり、摂取をやめると減るという変動しやすいものであることがわかっていますが、DHAは同じように摂取してもEPAのような増減が起こりにくいことがわかっているのです。そこから、EPAはほぼ純度100%の医薬品が開発され数多くのヒト試験が行われた結果、EPAをヒトが摂取したときの作用、つまり、中性脂肪値を下げたり血栓を予防したりする働きがとても明確になりました。これまでに蓄積されたこのような膨大なヒト試験の結果を背景に、EPAは、ほぼ純度100%の純品が高脂血症や閉塞性動脈硬化症の治療薬としても広く使われています。対して、DHAは長い間ヒトでの試験はEPAも含まれた魚油で行われ続けたために、DHAの研究結果として発表されたものがEPAのいわゆる血液サラサラ作用と混同されてしまうという残念な目に遭っていました。でも、DHAについてヒトについて明確にわかっていることは、ヒトの脳組織にとても豊富に存在する脂質であるということなのです。つまり、脳が大きくなるとき、子供の成長にとってはとても重要な成分であると考えられています。大人に対しての研究で純度の高いDHAで行われている研究はここ数年顕著に行われるようになってきました。大人に対するDHAの明確な機能については今後の成果を待ちたいところです。以上より、循環器系(血液や血管)の健康維持のために欠かせない、いわゆる血液サラサラ効果が明確なEPAは大人に、そして、脳の構成成分であるDHAは成長期の子供にオススメであるといえます。大人は食生活で注意しながら、『クリルキング』等のサプリメントでEPA、DHAの両方を満たしておくという摂り方が賢明であるといえるでしょう。 ★記事提供:ウェルネスライフ
参考:ニッスイ サラサラ生活向上委員会 EPAとDHAの違いは? ニッスイ サラサラ生活向上委員会