若返りのツボは「成長ホルモン」にあり
私たちの体内で分泌されるホルモンは、情報伝達の役割を持ち100種類以上が血管の中を循環していますが、加齢に伴い分泌量の増減変化が起こります。中でも分泌量が減ってしまうホルモンとしてよく知られているのが「成長ホルモン」で、このホルモンの分泌量の低下に伴ってインスリン様成長因子の分泌量も低下します。ほんのわずかな量であっても劇的に体を変化させてしまう力をもった不思議な物質で、健康や美容に関係しているのが「老化ホルモン」と、若返りに影響を与える「成長ホルモン」です。実は高齢者が、糖代謝において若年者よりも働きが悪くなるのは、この「老化ホルモン」の影響が強いと考えられています。さらに、高齢者は若年者に比べて浸透圧を調整するホルモンの分泌量が夜間に低下する特徴があり、夜間の排尿行動、あるいは夜間頻尿に関係しているものと考えられています。また、男性ホルモンや女性ホルモンも、加齢により減少する代表的なホルモンです。男性ホルモン、女性ホルモンの分泌量が減少することによって、身体的に大きな影響を及ぼします。
ホルモンの減少が招くさまざまな疾病
男性ホルモンが低下すると、性機能の低下や筋力の低下などが顕著に見られるようになり、女性ホルモンの低下では、体への影響としていわゆる自律神経失調症があり、ほてり、のぼせ、動悸、めまいといった症状がよく見られるようになります。女性ホルモンは骨形成にも関係しているため、骨量の低下から骨粗鬆症を引き起こすことがあります。男女ともに、ホルモンの分泌量が低下することで、骨吸収の低下、骨密度の低下による骨折、高脂血症の発症リスクの増加、それによる動脈硬化への進展、そして脳梗塞や心筋梗塞など、さまざまな病気へと発展するリスクが高くなってしまうのです。その一方で、高齢になって上昇するホルモンもあります。「成長ホルモン」の分泌を抑制するソマトスタチンというホルモンで、加齢に伴いこのホルモンだけが上昇し、「成長ホルモン」の分泌を抑制します。このように残念ながら加齢とともに減少してしまう「成長ホルモン」ですが、実は自分で分泌を促すこともでき、大量に分泌させるためのカギは「睡眠」「空腹」「運動」です。
「成長ホルモン」増加で若返る方法
●十分な睡眠時間をとる
「成長ホルモン」は睡眠中に分泌され、睡眠後30分から1時間後のノンレム睡眠(深い眠り)時にに多く分泌されます。このホルモンは睡眠中に肌の新陳代謝を活発化させたり、血行を促進して老廃物を取り除いたりする機能があるため、美肌を維持する、シミやシワを防止するために欠かせません。睡眠不足や生活習慣の乱れは「成長ホルモン」の分泌を減らす原因になりますので、規則正しい生活で十分な睡眠時間を確保しましょう。
●空腹の状態を作る
私たちは、朝起床して日光を浴びることで脳からセロトニンというホルモンが出て、交感神経が活動を始めます。さらに活動を始めると脂肪燃焼を開始して、空腹状態になります。この空腹状態から成長ホルモンが増量すし、空腹状態になればなるほど身体が調子を良くしようと動き出します。間食をやめて1日2~3回「お腹が空いた状態」を作ってあげることが大切です。
●ゆっくり途切れず運動する
「成長ホルモン」を分泌させるのに効果的な運動は、ゆっくりと、そのかわり途切れることなく行うことが大切。例えば、ゆっくり立ち上がり完全に直立する前に再びゆっくりとひざを曲げてスクワットを行います。この動作を10回ほど繰り返すと太ももがパンパンに張ってきますが、これが成長ホルモンの分泌を促す状態です。 これら3つを習慣化することで「成長ホルモン」の分泌が促進されます。
参考:MENGYM 老化現象は成長ホルモンの分泌低下が原因?老化を防ぐ方法はあるの?MENGYM
参考:成長ホルモンの増やし方 成長ホルモンの増やし方