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睡眠不足と血糖値のビミョーな関係

睡眠不足と血糖値のビミョーな関係

多少眠れなくても、単なる「睡眠不足」だからと油断していませんか?でも「睡眠不足」は心身の不調に繋がりやすいことで、思わぬ疾病を招く原因となります。でも、逆に睡眠不足を解消することで糖尿病や肥満が改善するといううれしい研究発表もされているのです。日本人は、特に就労者の睡眠時間が世界でもっとも短いと言われ、睡眠不足に悩まされる方が多い民族です。就労者の睡眠時間を比較した経済協力開発機構(OECD)の調査によると、日本人の平均睡眠時間は7.5時間程度で、先進国でも群を抜いて短く、慢性的な睡眠不足が続くことで気力も体力も思考能力の低下を実感する人が想像以上に多いと言われています。しかし、影響はそれだけではなく、睡眠不足が慢性化することで空腹時の血糖値が上昇し、基礎インスリン分泌能が低下するなど、2型糖尿病やメタボリックシンドロームのリスクが上昇するという調査結果があるのです。実は、睡眠時間が7時間を切ると、睡眠の負債が発生しはじめ、なるべく早く睡眠不足を改善すれば問題はないのですが、さらに睡眠不足が続いているという人は、糖尿病という結果を招くリスクが大きいのです。

糖尿病リスクが最も低い睡眠時間は7~8時間

この大切な睡眠時間は、実は長くても短くても、健康リスクが高まると言うことを知っていますか? 韓国のソウル大学医学部の研究チームが、13万人以上を対象に行った調査によると、睡眠時間が6時間未満の人はメタボリックシンドロームや2型糖尿病のリスクが上昇しました。この調査の参加者の睡眠時間は、それぞれ4時間以下から10時間以上までと幅広く、最終的に、肥満や糖尿病のリスクがもっとも低いのは睡眠時間が7~8時間の人であると言う結果が得られました。さらに、睡眠時間が7時間未満の人や、10時間を超える睡眠過多の人でリスクが上昇するという、U字型の分布を示すことがわかりました。睡眠時間を長くとると、睡眠不足が解消できるだけでなく、空腹時血糖値の低下や基礎インスリン分泌能の増大などが得られ、糖尿病のリスクが低下することが明らかになったのです。ここから「メタボや2型糖尿病を予防・改善するためには睡眠時間は7~8時間が理想的であると言えます」と、韓国の研究者は述べています。

睡眠不足の解消で糖質の摂取量が減少

また、慢性的な睡眠不足は、体内のホルモン分泌や自律神経機能にも大きな影響を及ぼすことが知られています。たった2日間睡眠不足が続けただけで、食欲を抑えてくれるホルモンのレプチン分泌が減少し、逆に食欲を高めるホルモンであるグレリン分泌が亢進、食欲が増大します。英国のキングス コレッジ ロンドンの研究では、睡眠不足が続くと糖質を過剰に摂取する傾向があり、睡眠不足の解消で糖質の摂取量を減らせるという結果が出ました。さらに「睡眠不足が人間の食行動までも影響を与えます。睡眠を1時間増やしただけで、健康的な食品を選べるようになることが分かりました」とも述べています。また172人を対象とした別の研究では、睡眠不足の人は1日の摂取カロリーがカップ麺1杯分ほどの量に相当する平均385kcal多くなり、2型糖尿病やメタボリックシンドロームだけでなく、心筋梗塞や狭心症などのリスクも上昇させ、冠動脈疾患といった生活習慣病にかかりやすくなることと明らかにしました。「睡眠は簡単なアドバイスによって改善可能。食べ過ぎが気になる人は睡眠を見直してみることが大切です」。つい睡眠時間は犠牲になりがちですが、睡眠不足は静かに着実に健康を蝕みます。睡眠状態に疑問を感じたら医師に相談しましょう。

参考:糖尿病ネットワーク 糖尿病の人が「睡眠不足」を感じたら放置してはいけない理由 糖尿病ネットワーク

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