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魚油摂取と肥満とのうれしい関係

魚油摂取と肥満とのうれしい関係

魚油とはイワシ、サバなど主に青魚から得られる脂肪油のことです。美容や健康には欠かせない話題のDHA(ドコサヘキサエン酸)EPA(エイコサペンタエン酸)を多く含有することで広く知られていますが、近年は、この魚油が脳に影響を与えて精神安定や現代病ともいえる様々なアレルギーの抑制にもつながることが知られてきました。
さらに、世界的なブームで我が国が誇るべき和食が見直されていますが、悲しいことに日本人の食生活が欧米化されてしまったことから、魚より肉中心の食事が増加し、高血圧や糖尿病等の怖い生活習慣病や精神疾患に苦しむ人が増加しているとされているのです。

そんな日本ですが、ついに「魚油を多くとると、太りにくくなる」と言う、非常にうれしいニュース!が届きました。
DHAEPAを含む魚油を摂取することで、脂肪を燃焼する細胞である褐色脂肪細胞を増加することが可能で、ここから体脂肪の減少や体温上昇をもたらすことを、京都大学の研究チームが突き止めたのです。

肥満を予防・改善する効果的な方法が求められています

現在、生活習慣病はもちろん、さまざまな病気の引き金となる“肥満”が世界中で増加の一途をたどっていて、太り過ぎによる過体重と肥満の人たちの人口は2013年時点で21億人まで達しています。肥満は、美容の面からだけでなく、ご存知のように2型糖尿病、脂質異常症、高血圧、メタボリックシンドローム等疾病の大きな原因であるため、まさに世界中で肥満を予防・改善する効果的な方法が求められているのが現状です。健康的な長寿食として今一大ブームになっている「和食」は、その大きな特徴として魚介類をたくさん摂取することが挙げられます。
そして、その魚介類から採れる魚油に含まれるDHAEPAは、動脈硬化を予防し、中性脂肪値を改善するなど、さまざまな健康作用があることで知られていて、この魚油が体脂肪の消費を驚く程に促し、理想的な痩せやすい身体をつくるのに欠かせないことを、京都大学の研究グループが研究を重ねて突き止めました。
さらに、この研究グループは、肥満したマウスを使った実験で行い、魚油がもたらすエネルギー代謝促進効果を検証。ヒトの身体には脂肪を貯めこむ「白色脂肪」と、脂肪を分解してエネルギーを作り出す「褐色脂肪」のふたつがありますが、この実験から「白色脂肪」が褐色化を起こして「褐色脂肪」のような機能を持つ第3の脂肪「ベージュ細胞」に変化することを突き止めました。
そのベージュ細胞の減少こそが、生活習慣病を招く中年太りの原因であることが分かり、逆に発現を誘導し活性化することで肥満を改善できると考えたのです。

マウスによる実験

研究グループが、マウスに高脂肪食や魚油添加食を103週間与えたところ、魚油添加食を与えたマウスは高脂肪食を与えたマウスに比べ、酸素消費量が増えたため体重が5~10%減少し、体脂肪の蓄積が15~25%減少するという結果に。さらに、魚油を摂取すると脂肪組織で神経伝達物質のノルアドレナリンが放出され、交感神経が活性化することまでも突き止めました。

これらの結果から、魚油によるエネルギー代謝の向上は、胃や小腸に分布する交感神経の活性化と、それにより引き起こされる「褐色脂肪」、特に「ベージュ細胞」の発現促進によってもたらされることを確かめました。

「日本型の食生活は、魚介類を豊富に含む食材を多用することが特徴のひとつ。今回の研究で魚を食べると体に良いことが、代謝のメカニズムから明らかになりました。健康に良い日本型の食生活を促進し、魚介類の消費を拡大することが、やがてはメタボリックシンドロームの改善と健康寿命の延伸につながる可能性があるのです」と京都大学の研究者たちは語っています。

参考:京都大学 魚油摂取は交感神経を介して、「脂肪燃焼細胞」を増やす-「魚油」の効果で体脂肪燃焼を促す新メカニズムを解明京都大学
参考:美と若さの新常識 救世主! 第3の脂肪細胞 ベージュ脂肪細胞美と若さの新常識
参考:保険指導リソースガイド 魚を食べると体脂肪が燃焼するメカニズムを解明 EPAとDHAの効果保険指導リソースガイド

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