ついに!世界の糖尿病人口は4億人を突破
もしも、糖尿病予備群だと診断された場合、「でも糖尿病になったわけじゃないから、まだまだ急に食生活を改善したり、運動をしたりする必要はない」と思っている方がいるかも…。確かに、糖尿病予備群では自覚する症状もないので、そう考えるのも無理はないことだと思います。ただし、身体の中では、すでに変化が起き始めている可能性が高いと言うことをご存知ですか? 例えば、血糖値を下げるホルモンであるインスリンが出にくくなったり、効きづらくなったりする変化は、糖尿病と診断されるずっと前の段階からあると言われているのです! だから予備群と言われる状態から、進行して糖尿病になるにつれインスリンの働きは少しずつ少しずつ静かに弱まっていきます。さらに、血糖値が高い状態が続くことで全身の血管にダメージを与え、血管の老化である動脈硬化は糖尿病予備群の段階から生じているため、心臓や脳血管の病気になりやすくなってしまいます。正常型と比較すると、2.2倍も心血管病による死亡が多いとも言われているのです!
2045年までに世界の糖尿病人口は7億人に増加!
2017年11月14日の世界糖尿病デーに、国際糖尿病連合(IDF)から発表された世界の糖尿病に関する最新の調査をまとめた『糖尿病アトラス 第8版 2017』(Diabetes Atlas 2017)によると、世界の糖尿病人口は爆発的に増え続けていて、2017年現在で糖尿病有病者数は4億2,500万人に上ることが判明! さらに連合は2015年より1,000万人増えており、有効な対策を施さないと、2045年までに6億9,300万人に増加すると予測しています。さらに、2017年の20~79歳の成人の糖尿病有病率は8.8%で、11人に1人が糖尿病有病者と推定されていて、有病率は2045年までに10人に1人に上昇すると予測されているのです。ここからも、糖尿病を発症する危険性の高い耐糖能異常の数は2017年には3億5,200万人に上り、2045年には5億3,160万人に増加すると予測されているため、世界の20~64歳の働き盛りの糖尿病人口は、2017年には3億2,650万人に上り、2045年には4億3,820人に増えるとみられ、経済に大打撃を与えるとされていて、糖尿病の治療と仕事の両立は、世界的な課題となっています。また、怖いことに『糖尿病アトラス 第8版 2017』では、世界を7地域に区分し日本が含まれる「西太平洋地域」は、世界でいちばん糖尿病人口の多い地域だと掲載。西太平洋地域の糖尿病有病数は1億5,880万人で、2045年までに1億8,330万人に増加すると予測されていますが、全世界の37%の人がこの地域に集中しているのにも関わらず、有病者の54.1%が糖尿病と診断されておらず、治療が行われていないのが現実です。
なんと!日本の糖尿病医療費は世界第5位
世界で糖尿病人口がもっとも多い国の順位は、1位 中国=1億1,400万人、2位 インド=7,300万人、3位 アメリカ=3,000万人となり、上位3ヵ国だけで2億人を超えています。我が国は2015年の調査では世界ランキングの9位でしたが、2017年の調査では上位10位から外れています。ただし、日本では65歳以上の糖尿病人口が多く、年代別のランキングでは2017年は世界第6位の430万人となっているのです! さらに、糖尿病に関連した医療費は世界で約83兆円となり2015年から8%増加、主な国ではそれぞれ医療費の12%を占めています。この糖尿病の医療費の負担は世界的に増大していますが、糖尿病を予防するために費やされる予算は不足しており、糖尿病の医療費が多い国の順位は、 1位 アメリカ(39.5兆円) 2位 中国(12.5兆円) 3位 ドイツ(4.8兆円) 4位 インド(3.5兆円) そして5位 日本(3.2兆円) となっています。
参考:糖尿病医療センター 糖尿病予備群といわれたら 糖尿病医療センター