リン脂質の体内での働きは、血管内の脂肪分を運動エネルギーへ変換する作用があります。そのため、リン脂質を摂取することで動脈硬化、脂肪肝、高脂血症などの血管系の疾患の予防効果が期待されます。
またリン脂質は細胞を作る材料の一つであり、脳の神経細胞を繋ぐアセチルコリンという伝達物質の材料ともなります。このアセチルコリンは自律神経や運動神経への作用や、血圧や脈拍、記憶、認知、学習、睡眠と覚醒に影響することが分かっており、神経伝達物質の中でも最も重要な物質の一つです。
この濃度が減ってしまうと運動障害が起こる他、認知学習機能にも障害が起こってしまい、パーキンソン病やアルツハイマー病にも関わっていると考えられています。
リン脂質が多く含まれる食品の代表例が大豆や、南極の海に生息するオキアミという動物プランクトン由来の油、クリルオイルです。
特にクリルオイルはリン脂質が豊富に摂れるだけではなく、DHAやEPAなどといった必須脂肪酸やアスタキサンチンも豊富に含んでおり、食物連鎖の中でも最初にDHAやEPAを産生する存在です。
また乳化作用がリン脂質にはあるため、一緒に摂ることでDHAやEPAを体内に効率良く吸収することが期待できます。
リン脂質も健康には極めて大事な成分でありながら、中々日々の食事で必要量を摂取することが難しい栄養素の一つです。
リン脂質が豊富に含まれるクリルオイルなどのサプリメントも上手く活用して効率的な摂取を心がけましょう。